【刑事事件】
イラン人に対する銃砲刀剣類所持等取締法違反・出入国管理及び難民認定法違反被告事件につき銃刀法違反の部分が一審で無罪となり控訴がなく確定した事例
イラン人3人が乗っていた乗用車が信号待ち。パトカーから降りた警察官が職務質問を始めると,助手席のCと後部座席のBは,運転席のAを残して逃走を開始。Cは逃げ切ったが,Bは袋小路に入り込み警察官に連れ戻される。トランクからブッシュナイフ3本が発見されるが,A,Bともに,Cが持ち込んでもので自分たちは知らないと否認・・・Bの弁護をすることになった私は・・・ 法廷で警察官が驚きの証言をして・・・無罪の判決にBは「当然!」と澄まし顔で・・・
交通事故で死亡1名傷害2名の業務上過失致死傷被告事件につき一審で有罪とされたが控訴審で逆転無罪となり上告がなく確定した事例
助手席に母親を乗せたAの運転する乗用車とBの運転するダンプカーが片側2車線の道路を並走中接触し(A車,B車のどちらが寄って接触したのかが争点。),B車はセンターラインに差し掛かった程度で止まったが,A車はスピンして対向車線を横切りガードレールに衝突。A車助手席の母親は即死,Aも脳挫傷等の重傷を負い,後に意識は戻るが事故時の記憶は完全に失われ,高次脳機能障害の重い後遺症を負う。対抗車線を走行して来てA車に衝突した乗用車とバイクの運転手も,それぞれ傷害を負う。B車のスリップ痕が2つの車線間の区分線上に印象されていたことから,B車が区分線を超えたことによって接触事故が発生した可能性が高いと思われたが,Aは記憶喪失で事故の内容を語ることができず,Bは自車は真っ直ぐ走っていたと主張する中で,A車が急ハンドルを切って自らいきなりUターンをしたと証言する目撃者が現れ・・・
義母を突き飛ばしその後頭部を壁に激突させ頸椎捻挫の傷害を負わせたとの傷害被告事件につき一審有罪判決の後受任し控訴審で逆転無罪判決がなされ上告がなく確定した事例
義母から傷害で被害届を出されたが,Aは一貫して否認。一審弁護人はAの主張に沿った主張をしAの言うアリバイも主張し証人は立てたが,これを裏付ける客観的証拠の収集は不十分なまま。
また,義母の頚椎捻挫の診断書につき,診断した医師の証人尋問もしないまま安易に証拠採用に応じてしまっていた。一審の有罪判決後,弁護を引き受けた我々は・・・ 取り寄せたカルテには何と・・・との記載が・・・ 判決で裁判長は,一審の判決はやや浅慮と・・・ 判決を聞いたAは涙を流し・・・
水素水工場に設置する殺菌装置の代金の名目で合計約2000万円を騙し取ったとの詐欺被告事件につき一審で無罪となり控訴がなく確定した事例
バブル期に不動産取引で財をなしたAは,息子Bの為にと水素水工場建設を計画,被告人Cに相談。被告人Cは水に詳しい被告人Dに確認,〇〇式殺菌機は約2000万円との予算でAの領解を得る。被告人Dの調査で,△△式殺菌機なら,保健所の認可は得難いが原価約300万円と判明。Dの試行錯誤で△△式でも保健所認可の見通しへ。
被告人CDは,△△式殺菌機につき約2000万円とのメーカーの請求書を偽造,自らは利益無しとしてAに約2000万円で販売。Aの無駄遣いを懸念した息子Bがメーカーに確認,前記請求書の偽造が発覚(ただし,販売額は確認できず)・・・告訴し・・・被告人CDは詐欺罪で起訴された。
・・・裁判が進み,裁判官の示唆で,CDと一緒に逮捕されたが不起訴となったEの調書が開示されると・・・Aに殺菌機の原価は相当安いが請求通り払って良いのかと指摘したが,Aは,知っているがDがいないと工場が完成しないからしょうがない旨述べました等の記載があり・・・
・・・検察官請求証人(メーカーの担当者)Fは・・・安く買って高く売るのが商売・・・何倍までなら販売額として適切かも言いようがないと証言し・・・
【民事事件】
同族会社に対する約2億円の貸金返還請求につき同金員の交付は貸金ではなく出資の趣旨でなされたものであるとして請求棄却の一審判決がなされた事例
圧倒的な権力を持っていた先代の社長であった父が亡くなり,残された兄弟姉妹の間では統制がとれなくなってしまった。会社の帳簿に貸付が計上されていた長男のCが会社に対して貸金返還請求訴訟を起こす。会社の代表者である次女のBとそれに同調する長女のAは,返さなくて良いという趣旨の念書があるというのだが,念書の現物は見付からず,しかも,Aが「返さなくて良い」という内容だったと言うのに対し,Bは「会社のものとする」という内容だったと言い,お互いに譲らない。法廷では,それぞれ,そのまま証言してもらったが・・・ 一審判決はその念書はあってもおかしくないと述べ,請求棄却の判決を・・・ 控訴審段階でその念書が見付かり,文面を見ると・・・
【その他の事件】
宅配便事業を行うA社が宅配便事業及び○○事業を行うB社は宅配便の定価の値下げをしこれは独占禁止法違反の不当廉売に当たると主張してその差止め等を求めて提訴した事例
シェア拡大を目指したB社はA社の宅配便との価格差を材料に積極的な営業に打って出ることを決定。その旨の報道もなされる。B社幹部による発言として雑誌に掲載された「(値下げ競争の)後は体力勝負。」との言葉に,A社は危機感を強める。B社としては,体力はB社の方が圧倒的にあるというのが当然の前提の発言であり,だからこそ,A社も強い危機感を抱いたものと思われる。A社から、差止め請求ができないのかと相談を受け・・・
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